飛行機での客室乗務員の仕事内容は?フライト業務の流れを紹介

飛行機

客室乗務員は飛行機でどんな仕事をしているの?

CAの仕事内容に興味があるというお声をいただくことがよくあります。

客室乗務員の仕事というと、「サービス」のイメージが強いかもしれませんが、実は最も重要なのは「保安業務」と言われているんです。

お客様から見えるところでは、なかなか保安業務をしている姿を見ることは少ないかもしれませんね。

実は飛行機の中で仕事をしている客室乗務員は、かなり厳しい訓練に合格しないと実際のフライトに乗務することができないんですよ。

この記事では、客室乗務員がフライトの中で行っている仕事内容を紹介します。

保安業務について知ることで、飛行機の中で優雅にドリンクやお食事のサービスをしているというCAのイメージが変わるかもしれませんよ!

飛行機での客室乗務員の仕事内容を徹底解説

客室乗務員の仕事は、華やかなイメージを持っている方も多いかもしれませんが、実はかなり体力勝負の仕事ということをご存じですか?

約5年間CAとして乗務した経験のある私が、客室乗務員は飛行機の中でどのような仕事をしているのかをお伝えしますね。

客室乗務員の仕事は大きく分けて2つある

客室乗務員は機内でドリンクや食事を提供する仕事だよね?

飛行機を利用していると、CAがお客様にサービスをしている姿を目にすることが多いですよね。

客室乗務員の仕事は、大きく分けると「保安業務」と「サービス業務」の2つの業務があります。

具体的に飛行機の中でどんな仕事をしているのかを詳しく説明しますね。

保安業務

飛行機は公共の交通機関なので、お客様が安全に目的地へ到着するという任務があります。

どんなに快適な機内でも、飛行機の安全性が低ければお客様は安心して利用することができないですよね。

飛行機は、天候などに大きな影響を受けやすいため、CAはフライトの前に起こりうるリスクを洗い出して事前に確認しているんです。

客室乗務員は、飛行機の急な揺れなどでお客様が怪我をされないようにアナウンスをしたり、サービス方法を変更したりなどの工夫をしています。

また、万が一緊急事態に陥った場合には、お客様の安全を守るために冷静に対応をする必要があります。

一人前のCAとして乗務できるようになるまでに、約1ヶ月ほどの訓練を受けて緊急時に備えて様々な訓練を受けているんですよ。

実際に私も、機内で火災が起きた状況を想定して消化器を使ったシミュレーションや、AEDなどを使った救急看護などさまざまな訓練を受けました。

サービス業務

フルサービスキャリアでの機内サービスは、国内線ではドリンクのサービス、国際線ではそれに加えてお食事のサービス免税品販売などがあります。

フライトの時間が比較的長い国際線では、ドリンクやスナックのサービスから始まり、お食事の提供、トレーの回収、食後のドリンクの提供という流れの場合が多く、常に客室乗務員はお客様の座席の近くでカートを押してサービスをしています。

ビジネスクラスやファーストクラスでは、パーソナルな空間を提供しているためお客様1人1人の様子をよく見てタイミング良く声かけをします。

エコノミークラスはお客様の人数も多いため、サービスはスピード重視と言われていますが、ビジネスクラスはそれに加えて質の高さが求められているんです。

そのため、ビジネスクラスでサービスをすることのできるCAは厳しい訓練に合格し、一定レベルのサービス力が必要となります。

私もサービス訓練でフルコースの流れを勉強し、お食事に合ったワインや飲み物の紹介などデモンストレーションで何度も練習しました。

訓練で教官から厳しくご指導いただいて身に付けたサービスをフライトで実践できた瞬間は、とても達成感があったことを覚えています。

CAは体力勝負!フライトでの業務の流れを知ろう

CAの機内で行っている業務が気になる!

それでは、実際にあなたもCAになったつもりで業務の流れをみていきましょう。

側から見ると同じような業務に見えても、実はフライトによってCAの役割は異なり、担当する業務によっても仕事内容が違うことも多いんですよ。

ここでは、全てのフライトに共通する業務内容を中心にシーンごとにお伝えしていきますね。

  1. CAが飛行機に乗り込む
  2. お客様搭乗
  3. 離陸の準備
  4. 機内サービス
  5. 着陸の準備
  6. お客様のお見送り
  7. CAが飛行機から降りる

フライトの流れをイメージしながら順番に見ていきましょう。

<1.CAが飛行機に乗り込む>

オフィスでその日のフライトの情報を入手し、一緒に乗務するメンバーと顔合わせや自己紹介をしてみんなで飛行機に乗り込みます。

このタイミングでパイロットとの打ち合わせをすることもあります。

飛行機に乗り込んだら、安全に関わる必要な器具が所定の位置にあるかを確認し、飛行機が安全に出発できるように準備をします。

この時に、ドリンクやお食事のサービスに必要なものが搭載されているかも確認します。

機内の準備が整ったら、最後に身だしなみをチェックし、お客様が搭乗されるのを待ちます。

<2.お客様搭乗>

お客様をお出迎えします。

ビジネスクラスでは、1人1人のお名前をお呼びしながら座席にご挨拶に伺います。上着をお預かりし、ウェルカムドリンクを提供するフライトもあります。

国際線では、搭乗されたお客様から入国書類をお配りしたり、特別な機内食を予約されたお客様への確認をしたりすることもあります。

また、お客様の手荷物収納のお手伝いやお子様連れの方におもちゃをお配りするなど状況に応じてできることをしています。

お客様の中には、10kg近い手荷物を持ち込む方もいるので、上の物入れに収納するのはかなりの力が必要なんですよ。

<3.離陸の準備>

全てのお客様が飛行機に乗ったら、離陸に向けた準備を始めます。

ここでは、飛行機のドアや非常口を離陸時のモードに変更し、複数のCAで相互確認をするという最も重要な保安業務があります。

これが正しくできないと、飛行機は離陸することができないんです。

そして、飛行機のあらゆる収納棚のロックがかかっているかを確認し、安全な状態かどうかを確実にチェックします。

さらに、お客様の座席1つ1つを確認し、シートベルトの着用やリクライニング、足元の手荷物の収納状態を見ていきます。

CAに座席の周りをチェックされて、もしかすると細かいと感じることもあるかもしれません。

これは全てお客様の安全のためにとても大切なことなので、もし声かけをされたら協力するようにしてくださいね。

<4.機内サービス>

離陸して、ある程度の高度まで達したら、ベルト着用サインが消灯します。

CAはベルト着用サインが消えるとサービスの準備を始めます。

飛行機のキッチンであるギャレーで、エプロンに着替え、ドリンクのカートを用意して客室に出てお客様にサービスを始めます。

ここでは、キャビンに出てドリンクサービスをする人と、ギャレーで機内食のカートを準備する人など役割分担をしています。

天候によっては、急にベルト着用サインが点灯し、CAも着席しなければならないこともあるので、いかに効率的に時間を使うかがポイントになってきます。

私は新人の頃に、急いで機内食のカートの準備をしていたら、指を挟んで爪が黒くなってしまったことがあります。

安全はもちろんのこと、お客様に早く質の高いサービスをすることを意識して、CAは業務に当たっています。

<5.着陸の準備>

全てのサービスが終了し、飛行機が降下を始める頃には、安全な着陸に向けた準備をします。

機長から、正確な到着時間の情報が入ると、CAはそこから逆算をしてお客様に到着前のお手洗いの案内をしたり、サービスで使った物品の片付けを行ったりします。

CAは、急な揺れに備えて「出したらしまう」を徹底していますが、安全な着陸に向けて、ギャレーやお客様の座席を再度確認しています。

着陸前は離陸前とは異なり、大気が不安定な中を飛行することも多いので、機長からの着席要請が入るとCAはお客様の座席の周りを確認できない場合もあります。

機内で発生している怪我の多くは、1人1人の心がけで防ぐことができるので、お客様ご自身でもしっかりと身の安全を確認しておくことが大切ですよ。

<6.お客様のお見送り> 

着陸し、空港の所定の駐機場に到着すると、飛行機のドアが開きます。

順番に飛行機を降りられるお客様に搭乗のお礼とお見送りをします。

私は最後の方に降りられる順番を待っているお客様と、世間話をさせていただいたことがあります。

フライト中に話しかけづらくても、お見送りの時間は、実は世間話の絶好のチャンスなんです。

到着地のおすすめスポットや、飛行機の豆知識など、待っている間にCAに話しかけてみると楽しいかもしれませんよ。

<7.CAが飛行機から降りる> 

全てのお客様が飛行機を降りたら、お客様の忘れ物などが機内にないかを確認し、CAは自分の荷物をまとめて飛行機を降ります。

私は新人の頃、フライト前に掲げた目標に対して、達成することができたかを振り返りながら飛行機を降りていました。

先輩CAに緊張しながらアドバイスをもらいに行っていたことを覚えています。

オフィスに到着してから、全体でその日のフライトの振り返りをして業務は終了です。

CAの業務は、ここで紹介した内容はほんの一部で、まだまだ細かい作業がたくさんあります。

流れ作業のように感じるかもしれませんが、路線や天候、メンバーも異なるので、フライトによって状況が異なります。

私は、同じ状況が二度とないというフライトで、臨機応変に対応していくことが客室乗務員の仕事の醍醐味だと感じます。

まとめ

  • 客室乗務員の機内での業務は、大きく分けると「保安業務」と「サービス業務」の2つあるが、最も重要なのは「保安業務」と言われている
  • 保安業務は、お客様が安全に目的地に到着するために必要な業務で、乗務している全てのCAは緊急時に備えた厳しい訓練に合格する必要がある
  • サービス業務は、お客様に機内でドリンクやお食事を提供する業務で、特にビジネスクラスなどではより高い品質のサービスを提供するため、CAは高いレベルの訓練を受けている
  • 客室乗務員の機内での業務の流れは、基本的な部分は同じだが、路線や役割、天候やお客様の状況によって毎回異なるため、それがやりがいの一つでもある

お客様として飛行機を利用していると、客室乗務員の業務はほんの一部しか見えないので、驚いたこともあったのではないでしょうか。

どのCAも、機内では「安全」のことを第一に考えて業務にあたっているんですよ。

飛行機に乗った際には、ぜひ「保安業務」の面でCAの仕事内容に注目してみてくださいね。

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