飛行機の座席でリクライニングを倒すタイミングはいつがいいの?
機内では少しでもリラックスして、ゆったりとした時間を過ごしたいですよね。
飛行機は、新幹線などと違い、リクライニングを倒しても良い時間帯が決まっています。
そのため、乗り込んでから座席を倒してもすぐに元の位置に戻さなければいけなくなってしまうんです。
CAとしては心苦しいのですが、リクライニングを倒して眠っているお客様にも離着陸時にはお声がけをさせていただいています。
この記事では、飛行機でリクライニングを倒すことのできるタイミングについて紹介します。
倒すときの注意点についてもお伝えするのでぜひ搭乗前に確認しておいてくださいね!
飛行機の座席を倒すタイミングと方法を解説
飛行機に乗っていて、CAから「座席のリクライニングを戻してください」と声をかけられた経験はありませんか?
リクライニングについてはアナウンスなどで旅客に周知していますが、あまり聞いていないことも多いと思います。
この章では、飛行機の座席を倒すことのできる時間帯や方法について紹介します。
リクライニングを倒すことのできる時間帯
飛行機での移動時間は、できる限りゆっくりくつろぎたいですよね。
長時間座席に座っていると、足や腰、首なども痛くなりやすいと言われています。
リクライニングの使い方をマスターしておくと、機内で快適に過ごすことができ、スマートな振る舞いができますよ。
CAがリクライニングについてお客様にお声がけをするタイミングは以下の3つがあります。
それぞれのタイミングを1つずつ解説していきますね。
<離陸前>
離陸前は、安全上の理由から、シートベルトの着用と一緒にお客様の座席1つ1つを確認します。
CAが、離陸前に頭上の荷物入れにロックがかかっているか、機内のチェックをしている姿を見たことがある方は多いのではないでしょうか。
離陸に向けて機内を安全な状態にすることは、CAの仕事の中で最も大切な仕事の1つです。
実際に確認している項目は以下の6つがあります。
- シートベルトをゆるみなく着用していること
- リクライニングが元の位置にあること
- 座席のテーブルがロックされていること
- 足元の手荷物が前の座席の下に収納されていること
- フットレストやレッグレストが元の位置にあること
- 非常口座席では足元に荷物がないこと
これらのチェック項目に関して、CAは厳しい訓練を受けているため離陸前には徹底して確認をしています。
もし離陸前にリクライニングを倒していたら、元に戻すように言われますので、CAに注意される前に戻しておくといいですよ。
<お食事中>
国内線のドリンクサービスでは、リクライニングについて声をかけられることはありませんが、国際線の機内食サービスでは、座席を元に戻すように言われることがあります。
その理由としては、リクライニングが倒れていると後ろの座席のお客様が食事をとりにくくなってしまうからです。
機内食を食べるときには、座席の背もたれにもたれかかるよりも、戻した方がお客様自身も食べやすいですよね。
食事中にお休みになっているお客様には、起こしてまでリクライニングを戻してもらうことはありませんが、CAから声をかけられることもあると覚えておきましょう。
<着陸前>
着陸前も、離陸前と同様にCAは機内を安全な状態にするための確認を行います。
離陸前のタイミングでご紹介した6つの項目をチェックしているため、リクライニングを倒していたら戻すように声をかけられることを覚えておいてくださいね。
ただし、着陸前には、離陸前と異なる点が1つあります。
通常は飛行機が降下をしているタイミングでCAは機内の点検をしますが、天候によっては大きく揺れて、CAも着席しなければならないこともあります。
その場合には、アナウンスが流れるのでご自身で安全の確認を実施するようにしましょう。
「CAに声をかけられなかったからリクライニングをそのままにしていても大丈夫」と思わずに、安全のためにしっかりとアナウンスを聞いておいてくださいね。
リクライニングを倒す方法
座席のリクライニングはどうやって倒すの?
飛行機の機種や座席によっては、リクライニングの方法がわからないと感じることもありますよね。
基本的には、座席の肘掛けの左右どちらかにボタンがついており、そのボタンを押しながら後ろに倒すタイプがほとんどです。
新幹線などと同じような作りになっているんだね。
しかし、飛行機の機種によっては、背もたれが倒れずに座席の座面が前にスライドするタイプもあります。
このタイプの機種に乗務した際には、「リクライニングの方法がわからない」というお客様がたくさんいらっしゃるので、私はなるべく客室内をまわるように心がけていました。
もし、リクライニングの仕方に困ったら、遠慮なくCAに相談してくださいね。
飛行機の座席を理解して機内で快適に過ごそう
飛行機にはたくさんのお客様が搭乗されるので、色々なトラブルもあります。
実は、お客様同士のトラブルで最も多いのは、座席に関することなんですよ。
私も以前、リクライニングのことで口論になったお客様の仲介に入った経験があります。
この章では、快適に機内で過ごすコツをお伝えしますね。
リクライニングができない座席に注意しよう
飛行機の座席を決めるときには、リクライニングができない座席があるということを覚えておくと安心です。
基本的には、非常口の近くの座席には「リクライニング不可」という座席があります。
非常口座席の中でも、リクライニングできる座席とできない座席があるので予約するときには確認しておくと良いでしょう。
リクライニングができない座席と知らずに搭乗されたお客様が、座席移動を希望されることが何度もありました。
万が一、満席の場合には移動ができないので、チェックインの時に確認しておくことをおすすめします。
また、すぐ後ろが壁になっているような座席はリクライニングのボタンがついていても、背もたれが壁にぶつかって少ししか倒すことができないケースもあります。
座席についてから、「リクライニングできなかった」とわかって残念な気持ちにならないように、座席の位置をチェックしておくといいですよ。
フライトの流れを知ってリクライニングを活用しよう
リクライニングを最大限活用して機内でゆっくり過ごすためのコツをお伝えします。
今回は国際線の場合の流れを紹介するので、国内線では2,3は飛ばして考えてくださいね。
- 離陸後にリクライニングを倒す
- 食事が始まったら元に戻す
- 食事が終わったらリクライニングを倒す
- 着陸前に元に戻す
それぞれのタイミングでのリクライニングの使い方とマナーを説明します。
<1.離陸後にリクライニングを倒す>
飛行機が離陸して5分ほど経過した頃に、CAから機内アナウンスが入ります。
到着時間の案内などと一緒に「ただいまから座席のリクライニングをお使いいただけます」という内容のアナウンスがあるので、座席を倒すことができます。
この時、後ろの方に配慮して「座席を倒してもいいですか」などと声をかけてゆっくりとリクライニングをするとスマートです。
海外では、「座席を倒すことは全旅客に与えられた権利」と考えている方が多いため、一声かけないことが当たり前になっています。
海外の航空会社を利用するときや、周りが外国人のお客様ばかりのときには、あまり気にしなくてもいいかもしれません。
座席は限界まで倒すこともできますが、通路側の場合には、奥の座席の方がトイレなどに立つときに通りづらくなってしまうので、常識の範囲内でリクライニングをしましょう。
周りが空席であれば、気にせずに限界まで倒しても大丈夫ですよ。
<2.食事が始まったら元に戻す>
CAが機内食の入ったカートを客室に運んできて、サービスが始まったら座席を元に戻すようにしましょう。
食事中のリクライニングは、安全に直接関係しないので、CAによっては声かけをしないこともあります。
お食事が運ばれてくるタイミングでお客様がサッとリクライニングを戻してくださる様子をみると、CAは「わかってらっしゃる!」と心の中でひそかに感じていますよ。
<3.食事が終わったらリクライニングを倒す>
お食事が終わって、後ろのお客様のトレーも下がっていたらリクライニングを倒しても大丈夫です。
座席に座った状態で後ろの様子を確認するのは難しいかもしれませんが、食後にトイレに立ったタイミングでさりげなくチェックしてみてください。
夜のフライトでは、食後に機内の照明が暗くなることもあるので、そのタイミングでリクライニングを倒すということを目安にするのもいいかもしれませんね。
<4.着陸前に元に戻す>
着陸に向けて飛行機が降下している頃に、機内を安全な状態に整えるためのアナウンスが入ります。
大きな揺れがない限りは、CAが全てのお客様の座席をチェックします。
もしリクライニングを倒して過ごしていたら、このタイミングで元に戻すようにしましょう。
マナーを守って機内トラブルを避けよう
リクライニングを倒していたら、後ろの座席の人に背もたれを蹴られた…
お客様によっては、座席のことでクレームをあげたり、前の席のリクライニングに対して文句を言うというケースもあります。
狭い機内でトラブルになると、お客様同士も嫌な気持ちになりますし、口論になると周りの方にも迷惑になってしまいます。
今回ご紹介したマナーを守って過ごしていれば大丈夫ですが、もし他のお客様との間でトラブルが起きてしまいそうな場合には、すぐにCAに相談しましょう。
私も何度も対応したことがあるように、CAは機内のお客様対応のプロです。
状況にもよりますが、できる限りの対応をしてくれるはずです。
飛行機では、周りの人へ配慮し、マナーを守ってお互いが気持ちよく過ごすことができるように心がけましょう。
まとめ
- 飛行機で座席のリクライニングを使っていても離陸前、食事中、着陸前などには元に戻さなければならないタイミングがある
- 飛行機で座席のリクライニングをするには、肘掛けのボタンを押しながら倒すことがほとんどだが、機種によっては座面が前にスライドするタイプのものもある
- 非常口付近やすぐ後ろが壁になっている座席では、リクライニングを限界まで倒すことができないので注意しよう
- 離陸後にリクライニングを倒すタイミングで、後ろの方に一声かけることでトラブルを防ぐことにつながる
- 機内で万が一トラブルに発展しそうな場合にはすぐにCAに相談しよう
飛行機に乗って、狭い機内で快適に過ごすためには、環境だけでなく周りの人への気遣いも大切です。
座席を倒すタイミングは、慣れていないと難しく感じてしまうかもしれませんが、機内のアナウンスをよく聞いているとスムーズに倒すことができますよ。
機内でゆっくりとくつろぎ、あなたにとって素敵な旅になることを願っています。